ちゅらぷろインタビューvol.10人生のターニングポイントとこれからの夢

綿谷ひろさん1

~胎内記憶を持つ子どもたちの声をママに届ける~ 胎内記憶教育協会の認定講師をしています。
現在私は、胎内記憶を持った子どもたちの声をママに届けるという活動をしています。
(私が考える胎内記憶とは、生まれる前の記憶だけでなく、まだ言葉を話せない時期からすでに意思を持っているということも含まれます。)ママたちが子育てに悩んでいたり、言うことを聞かない、どうしても子どものことが分かってあげられない、
扱いにくい子どもたちのお悩みを聞きながら、ママの心をほぐすということをしています。

ママ自身がいろんな人の意見にアンテナを張って、今頑張っていらっしゃるので、それぞれに合った子育てになるように、いろんな
人の意見ばかりを聞くのではなくて、目の前にいる子どもと育む、「オリジナルの子育て」ができるようになるよう、ママたちの心やアンテナを整理して、本当は自分はどうしたかったのか、自分はどういう風に生きたいのかということを整理しながら子どもと向き合ってもらうということをしています。

そのためにセッションをしたり、自分自身の人生を振り返る「胎内記憶教育基礎講座」を開催したり「ベビーコミュニケーション」を教えたりしています。「ベビーコミュニケーション」とは、赤ちゃんと非言語でお話をする方法で、手話や表情を通して、赤ちゃんの「やってほしいこと」や「伝えたい気持ち」を感じ取りながら、心をつないでいくメソッドです。
また、心が固まっている方は身体も凝り固まってしまっているので、身体をほぐすようなヒーリングもしています。


そうですね。池川明先生がやっていらっしゃる協会の中にいるのですが、池川明先生もおっしゃるように、「子どもたちはお母さんを怒らせにやってくるのです。怒ることでエネルギーが上がるから、子どもたちは怒るということも悪いことだと思っていない。怒られ
ることやママが怒ることを悪いこととは思っていないので、一生懸命怒らせにやってくるのです」

新しい子育ての概念そのジャッジ、つまり「怒ることがダメ」「いい教育をしなきゃ」「いい子育てをしなきゃ」といったところからまずは一歩踏み出して、枠から外れてみるということもお伝えしています。
そういうことをする子どもって、ちょっと宇宙っぽい感じの子が多くて、たまに「宇宙語を喋っちゃうんですけど、、、」というご相談もあります。この間、面白かったのが、「瞬間移動しちゃったんですけど、、、」というお子さんがいたこともありました。こんな不思議な出来事も、ママたちがスッと受け入れられるようになったら素敵だなと思います。枠にとらわれず、「面白い!」
と感じられるママが増えるように!そんな願いを込めて活動しています。

今のお仕事をするきっかけになったことは何かありますか?
私自身が子育てに悩んでいたのがきっかけです。悩んでいたわけではないのですが、私が知っていた子育ては、幼少期から小学校受験をするのも珍しくなくて、親が「こうしようね」「プリントやろうね」と言えば、それなりの苦労はあっても子どもは素直に取り組み、順調に育っていったように見てきました。
だから、自分も心穏やかに子どもと向き合えば、きっと楽しい子育てができるはずだし、これまでの経験や情報もあるから、それほど困ることはないだろと、思っていました。

しかし、今まで見てきたセオリーが一個も当てはまらない息子だったのです。
従来の子育て方法が通用しない「怒れば親の言うことを聞いてくれる」と思って強く叱ってみたり、「怒らず説明すれば理解できる」と
思って理路整然と伝えてみたり。でもどちらも全然響かない。では、やっぱり怒れば伝わるのかと試してみても、結局ただ傷つけてしまうだけでした。そして困るたびに、いろいろな方に相談しました。もちろん親切に「こうしてみたら?」「ああしてみたら?」とアドバイスをいただくのですが、それは私でも思いつく方法ばかりで普通に考えつくやり方では息子にはもちろん伝わらず、「それで解決するなら最初から悩んでいないのにぃ」と思うことばかりでした。

別にその事がすごく嫌で気に病んでいたわけではないのですが、ある日起き上がろうと思ったら天井がぐるぐる回って、めまいがすごくて、もうこれは立てないと思いました。母に手伝いに来てもらったりしていたのですが、そこで「ほら、やっぱり子育てって大変でしょう」と言われた時に、「やっぱり」という言葉が私にすごく、刺さりました。私はそんなに大変と思ってやっているわけではないのに、母娘は自分のレールと思っていても、母のレールに引っ張られることがあるのだなぁとすごく強く思ったことがありました。
その時に、自分の道を自分でちゃんと歩けるようにならなければいけないと思ったのがまずきっかけした。

その頃、偶然出会っていたのが、梯谷幸司さんの「病気を言葉でやめる・やめさせる」というコーチングでした。友人が介護中のお父さんと一緒に、その方のお弟子さんからコーチングを受けてたのをきいて、私も祖母を連れて行きたいなと考えていました。
ところが友人に「相手を受けさせるのでは意味がなくて、自分が受ける事で、いろいろと変化が起こるものだから、あなたが行きなさい」と背中を押してくれ、自分のために受けてみることにしました。ずっと人の心に興味があったし、これまで抱えてきた疑問やモヤ
モヤが解消できるかもしれない。マッサージやヒーリングではどうしても抜け出せない感覚もあったので、興味半分、不安半分でコーチングを受けに行きました。
すると、その場で「あなたはきっとやる側になる人。
養成もしているから来てみたら?」と声をかけてもらいました。確かにその方が興味あるなと感じ、主人に相談すると「いいよ」と快諾してくれました。こうして、私のカウンセリングの道が始まりました。

カウンセリングの練習を重ねていく中で、多くの場合、人生の不具合の始まりは子どもの頃やお腹の中での出来事にあると気づきました。そこで、「やはり胎内記憶を知る必要がある」と感じ、池川明先生に興味を持ち、講演会へ行くことにしました。
すると、その講演会の翌日、胎内記憶教育協会が発足し、新しい講座が始まるという案内が届きました。
「これはご縁だし、面白そう」と思い、学び始めたことが、私と胎内記憶の出会いです。

こじれた人生を取り扱うのも得意だし、ねじれた人生を紐解いて「私はこういう人だった」と理解して生きるのも楽しいし、意味ある事ですが、こじれた過去を振り返るよりも、健全な親子関係を楽しみながら、ねじれやもつれを減らしていくほうがいい。そうやって、親子で一緒に楽しく成長していけば、世の中も未来も明るくなるし、病気も減っていくのではないかと思うのです。
わが子も、これまで私が見てきた子どもたちとは感覚が少し違う子だったので、きっとそこには理由があると感じたことが、親子関係と向き合い、一生懸命取り組むきっかけになりました。


何といっても一筋縄ではいかなくて、時代的なものも感じます。息子が2014年生まれで、いわゆる震災ベビーです。いろんな方から話を聞くと、震災が起こる手前で生まれている子たちは、考えが大人で、大人顔負けぐらい霊性が高い、穏やかだし、悟している子が多いのです。
しかし、そこから震災を越えた子たちは、ちょっと爆発的で、今までの常識を壊すような、ママの常識も壊すような、世の中の常識をひっくり返すような子が多いイメージがあります。だから、自分が育った時の感覚だけを大切にしている大人がついていくのは、大変です。
「今まではこうだから」と思って子育てをしていると、お互いに潰れてしまうなという感覚があります。

私は1980年生まれで、ちょうど就職氷河期、100社エントリーシートを出して1.2社やっと面接できるような時代でした。今でも、会社組織から抜けている世代です。就職できなかった、私たちの世代が何をしてきたかというと派遣をついで繋いでいろんな職を経験をしたり、自分で起業をしたり、転職が当たり前になり、会社勤めだけが人生ではないと気がついた世代でした。その考えに行き着いた先にはやはり、「これまでの世の中の仕組み」に違和感を抱く人が多いようで、これまでの常識を覆えすような発信をしている人が私たち世代に多いです。
そんな経験をしている人たちの子どもがやはり宇宙的感覚の持ち主が多く、今までのセオリーではとてもじゃないけれど子育てしきれないような子たちが生まれているイメージがあります。だから新しい時代、新しい仕組みを作りながら子育てしているのかなというのをすごく感じます。

ーーこれから先のことも見据えながらやっていると思うのですが、千尋さんの何かこれからのことや夢があったらお聞かせください。
私は、それぞれの親子の物語を大切にして、子どもたちにとって一番の「安全基地」になる、その家族だけのオリジナルな居場所をつくっていきたいと思っています。
そのためには、ママ自身が子どもの頃の感覚を思い出し、「これは好き」「これは嫌い」と自分のことをしっかり言えるようになること。そして、自分に対して一番素直でいられることが大切だと感じています。
カウンセリングをしていると、自分に嘘をついて生きている人がとても多いと感じます。だからこそ、ママが自分に正直でいられれば、子どもたちは何も心配せず、ママと一緒に毎日幸せを感じられるはず。
ママは毎日一生懸命で大変だけれど、いつもケラケラ笑っている、そんな世の中にしていきたいのです。

平日に学校へ行くと、息子のお友だちから「なんでママがいるの?お仕事しないの?」と毎回聞かれます。
「今日はみんなの顔を見に来たんだよ。お仕事はたまにしかしてないの」と答えると、
「え、仕事しないとお金稼げないよ」「お金持ちになれないよ」と言われます。
もちろんお金は大切です。あれば経験できることが増えるのも事実です。
しかし、私は子どもたちが本来よく知っている“幸せの本質”を大事にしたいと思っています。
大人は「仕事をしてお金を稼いで、使うこと」が幸せだと考えがちだけれでも、それが必ずしも子どもの幸せとは言えません。お金や仕事の概念、そして幸せの定義を、生まれたときの感覚に返って見直すことが大切だと感じています。
自然と調和し、日常を楽しめる親子が増えるといいな、そんな未来をつくる活動をしていきたいです。

個人的には、これからも日々笑って過ごしたいと思っています。
私は、何をしていても不思議と面白いことが起こるので、「きっと笑って生きていれば大丈夫なんだろうな」と感じています。
たとえ小さなハプニングやちょっとした惨事があっても、親子も人間関係も「とりあえず笑い合えばなんと
かなる」笑顔が日常の真ん中にある未来をつくるのが夢です。
また、今は巫女舞にも取り組んでいます。どれくらい続けられるかは分かりませんが、ライフワークとして、舞いを通じて自然と心を響かせ、天地と調和する感覚を持ち続けられたらと思います。

ーー何か自分の人生の中で大変だった時はありますか?
常に大変でした。
ーーでは、あの時大変だった自分に何か声をかけるとしたら何と声をかけますか?
私が大変な時は、いつも人間関係での悩みでした。
小さい頃から、人との摩擦を定期的に経験し、「人とは何か」ということをまざまざと体感してきた人生だと思います。

ーーもし当時の自分に声をかけるなら?
その時々、必ず最善の方法があって、思いがけない助けもありました。逃げたいと思ったことはあっても、その経験はすべて糧になって、未来は必ず明るくなっていくから大丈夫だよ、と伝えたいです。
そして、「みんなはちゃんとあなたを見ているし、自分自身もちゃんと見てきたよ。だからこれからも頑張ってね」とエールを送りたいです。

ーー読んでいらっしゃる方に何かメッセージや伝えたいことがあれば教えてください。
皆さん、それぞれ大変なことも辛いことも、楽しいこともあると思います。でも、それは誰かのせいで起きているのではなく、自分のための経験です。
大変な時こそ、自分と向き合いましょう。
人生の紐を少しずつ解き、明るい未来へ踏み出すための材料にしてほしいです。
逃げずに向き合えば、その先には必ず広くて輝く世界が待っています。
ーー何か大変なことがあったら、千尋さんのところにいつでも相談できるということですね。
はい。不思議なことでも何でも大丈夫です。

ーー今ちらっと出ましたが「不思議なこと」とおっしゃっていますが、何かあったのですか?
私は、お化けが見える…というタイプではありません。
でも、エイサーをしていた時期に沖縄の方と一緒に過ごす時間が長かったので、“見えない世界”の話をする機会が多かったです。


ーー普通ですよね。
そう、普通なのです。人の乗っていないブランコがずっと揺れているような光景も日常の一部で、「不思議だな」と思いながらも、特別驚くことはなくて、常に見えないものと暮らしているなという感覚があります。
目の前で話している人が本人ではないな、と感じる瞬間があったり、さっきまでの顔と違って見えたり、空間が歪んでいるように感じることもあります。
抵抗感がないというか、あって当たり前の世界なので、不思議だなと思いながらもあまり不思議と思わない。不思議だけれど、私にとっては当たり前のようにいつもそこにある感覚です。

幼少期からの特殊な感受性
ーーそれは小さい頃からですか?
小さい頃の私は、とても感受性が強かったようです。相手のちょっとした表情の変化や心の動きを敏感に感じ取ってしまい、本人も気づいていない思いまで分かってしまうことがありました。
例えば、相手は「怒っていない」と言っても、内心は強く怒っていると感じたり、じっと顔を見ていると、さっきまでと違う顔に見えたりしました。そういうことが日常的にありました。
天使など目に見えない存在と遊んだ記憶はありませんが、目の前にいる“人”だけではない存在や気配を、いつも感じながら生きていたように思います。

ーーそういう感受性は、カウンセリングの時など相手の方と対面する時にものすごく活かされているのではないかと思うのですが。
そうです。この感受性を活かせるのだと思ったらすごく楽になりました。これまで私は、「そう感じる」と思っても、相手は「絶対に違う」と否定するので、この感覚や相手の感情をキャッチする力は「自分の思い込み」で、きっと間違っているのだろうと思っていました。なので「私の勘違いなんだ」と思い込んで、相手が心を開かない・意地悪してくる・嘘をついていると思っていました。
ところが、カウンセリングを重ねる中で、自分が感じ取っていたのは、相手本人さえ気づいていない感情だったことが何度もあり、「この感覚は活かしていいものなんだ」と、やっと思えるようになりました。
もちろん、触れられたくない部分もあると思うので、この感覚をありがたく使いながら、相手とのやり取りをよりうまくできるようになりたいと思っています。

ーーこれからこのお仕事をますます発展させていかれると思うのですが、どんな方にお伝えしたいですか?
お母さん以外の方にも、もちろん関わっていただきたいと思っています。ご縁のある方ならどなたでも歓迎です。お仕事で子ども関わっている方にもお伝えしたいです。
特に「より良い子育てをしたい」「子どもを幸せにしたい」と一生懸命になっているママには、ぜひ届けたい活動です。どのお母さんも、わが子が健やかに育つことを願って頑張っていると思います。
ただ、子育てには正解がない、子どもにも意思がある。
そのことを前提に、みんなで関わり合えたらと願っています。

ーー池川明さんの胎内記憶教育協会について初めて聞いたのですが、よろしければご紹介ください。
胎内記憶教育基礎講座のテキストは、池川明先生のこれまでの研究や調査、聞き取り内容と、副代表の土橋優子さんの感覚をベースに作られています。
土橋優子さんは、「胎内記憶だけでは実践につながらない。子育てに活かすために“教育”を加えたい」という思いから、胎内記憶教育協会を立ち上げました。
彼女は、宇宙の一部だった感覚やお腹の中での感覚を思い出すことができる、とてもユニークな方です。その豊かな感覚が、このテキストや講座にもたくさん詰まっています。
胎内記憶で有名な「ママを選んできた」という子どもの言葉のように、子どもたちの不思議な話を否定せず受け止めたとき、可能性は大きく広がります。子どもたちの「もっと!もっと!」の世界観で生きることができます。
胎内記憶教育基礎講座は、胎内記憶だけではなく、「自分をよく知る」ことを大切にしています。温かく、何でも受け入れる事ができる、ふんわり温かい雰囲気のある協会です。ぜひ、イベントもやっているので、もし興味がある方がいらっしゃったら、ぜひ千尋さんに繋がってください。

ーー本日はチュラプロインタビュー「人生のターニングポイントとこれから夢」ということで、綿谷千尋さんにインタビューさせていただきました。本当に今日は貴重な時間をありがとうございました