人生のターニングポイントとこれから…夢 vol.14

訪問美容師・スキンケアアドバイザー 金城のり子さん


美容室に来られなくなったお客さまのひと言が、人生を変えた。

訪問美容師・スキンケアアドバイザーの金城のり子さんは、

その単純な発想から始めた仕事を、コロナ禍の試練を乗り越えながら8年近く続けてきた。

50歳を迎えた今、自分の経験を次の世代へ伝える新しい段階へ。

生き生きとした瞳で語る、これからの夢とは——。


自己紹介

初めまして。

訪問美容・スキンケアアドバイザーの金城のり子です。

現在、美容室に行けない高齢者や障害者、子育て中のお母さんなど、

様々な事情を抱えた方々を対象に、自宅や施設を訪問して髪を切るお仕事をしています。

同時にスキンケアアドバイザーとして活動し、化粧品選びやお肌のお手入れについてのご相談に乗っています。

もともと美容師として美容室で働いていました。

しかし、今は「美容を必要とする人のところへ自分が行く」という働き方を選びました。

どのような化粧品を選べばよいのか。

お肌の仕組みに合わせたケアとは何か——。

そうした基礎知識から、実践的なアドバイスまで、お肌の悩みを根本から解決するお手伝いをしています。


訪問美容を始めたきっかけ——人生のターニングポイント

訪問美容を始めるきっかけは、あるお客さまの一言でした。

「誰に頼んだらいいんだろう」——その単純な問いかけから

それまで定期的に美容室にいらしていたお客さまが、急に来店されなくなってしまった時期がありました。

スタッフ一同で「どうされたんだろう」と話していたのですが、久しぶりに来店されたときに、

実は怪我をしていて美容室に行けない状態だったことが分かりました。

「それは大変でしたね」という会話の流れで、そのお客さまが呟いた言葉が忘れられません。

「今後、自分が美容室に行けなくなったら、誰に頼んだらいいんだろう」——。

その単純な問いかけから、答えもまた単純でした。

「家に行って切ってあげればいい」。

そしてちょうど、タイミング的に母親の介護が必要になっていた時期でもあり、

子どもの成長に合わせて時間を作りたいという想いもありました。

こうした事情が重なり、「訪問美容師をやってみよう」という決断に至ったのです。

2019年、そうして仕事が始まりました。

コロナ禍との戦い——「頑張った」その一言に尽きる

しかし、始めた翌年——予想もしなかったコロナ禍がやってきます。

ようやく築き始めたばかりのお客さまが、一気にゼロになってしまいました。

経営の危機に直面しながらも、生活を支えるためコンビニでのアルバイトなど、別の仕事も並行していました。

その時期は、本当に泣きそうになるほど辛かったと思います。

収入がシャットダウンされ、自分も外出できない状況の中で、先の見えない不安と戦っていました。

それでも、諦めずに発信し続けることを選びました。

その踏ん張りが、今のお仕事の安定につながっています。


スキンケアアドバイザーという活動が始まったわけ

スキンケアアドバイザーという活動も、40代に入った時の悩みから始まりました。

40代という転機——シミとシワが一気に増えた

40代に突入して驚いたのは、シミとシワが一気に増えたことです。

女性であれば多くの人が経験する、急激な肌の変化——。

本当に「こんなに変わるの?」と驚くほどでした。

その時、私はシミ取りレーザーの施術を2回受けてみました。

ところが、何度レーザー治療を受けても、またシミが出てくるのです。

「ずっとレーザーを受け続けるの?」と考えた時に、ある重要なことに気付きました。

レーザーは一時的な対処に過ぎず、お肌に与える刺激も決して小さくない。

根本的な解決にはなっていない——ということです。

お肌の「基底層(きていそう)」という発見

そこで目を向けたのが、お肌の「基底層(きていそう)」です。

肌を作り出す基底層の土台がしっかりしていないと、いつまでもメラニン(シミの元)が生成され続けます。

シミ取りレーザーで表面的に取り除いても、土台が整っていなければ、何度でも新しいシミが現れるのです。

つまり、根本的なスキンケアを通じて、肌の土台から整えることが本当に必要だったのです。

そうした認識から、自分が出会ったスキンケア製品は、お肌に深くアプローチしてくれるものでした。

さらに重要だったのは、製品だけではなく、それをサポートしてくれるアドバイザーがいるという環境です。

その点が、私の大きな決め手となりました。

実感できた変化——体重は増えているのに、顔が変わった

スキンケアアドバイザーとして活動を始めて、半年余りが経ちました。

肌のくすみが取れて明るくなり、顎ラインがすっきりするなど、目に見える変化を感じています。

ある友人に「痩せた?」と言われたのです。

しかし、実は体重は増えているんです。

それなのに顎ラインがすっきりしているだけで痩せたって言われて、本当に嬉しかったんです。

実は増えているのに、こんなふうに変わるなんて——。

そうした自分自身の変化と喜びを、本当に楽しんでいます。


これからのこと、そして夢

これからのビジョンは、二つの方向で広がっています。

訪問美容師という職業そのものを広げたい

訪問美容の分野では、既存のお客さままで大変ありがたいお支えをいただいているのですが、

今後は新しい段階へ進もうと考えています。

それは、訪問美容師という職業そのものを広げ、育成することです。

若い美容師さんたちが訪問美容に興味を持ち、始めたいと考える人が増えています。

ただ、サロンで働くのと異なり、自分がお客さまのところへ出向く仕事の始め方や進め方については、

多くの人が不安を感じています。

そうした方々をサポートし、訪問美容師として活躍できる環境を整えるような活動に、今年は重点を置く予定です。

自分のお仕事はもちろん続けます。

同時に、次の世代を育てるという新しい役割を担いたいと思っています。

スキンケアアドバイザーとしての新しい夢

スキンケアアドバイザーとしても、新しい夢があります。

それは、自分が感じた「綺麗になる喜び」を共有し、同じ想いを持つ仲間を増やしていくことです。

この嬉しい気持ちをみんなに知ってもらいたい。

そこから興味を持ってくれる人、本当に自分も綺麗になりたい、

変わりたいと思う人たちに伝えられるようになりたいです。

一緒に綺麗になっていこうっていえるような仲間を増やしていきたい。

それが、今の私の大きなモチベーションになっています。


あの時、大変だった自分へのメッセージ

コロナ禍で収入がゼロになった時の自分へ——「頑張れ。大丈夫だよ」と声をかけたいです。

お客さまがいない状況で、何度も何度も頑張った

あの時、お客さまがいない状況で、仕事を続けるか諦めるか、その岐路に立っていました。

本当に泣きそうでした。

自分も外出できず、先の見えない不安に押しつぶされそうでした。

でも、あの時に発信し続け、踏ん張ったからこそ、今のお仕事の安定がある。

今、訪問美容師さんを増やすという新しい使命も見えた。

あの時点では想像もできなかった景色が、今ここに広がっています。

だから、あの時の自分に言いたい。

「頑張ったね。その踏ん張りが、今の安定した仕事に繋がってるんだよ。

そしてこれからは、その経験を他の人たちに伝える側になるんだよ」と。

あの経験があったからこそ、違う視点でものを見ることができるようになりました。

困難の中でも発信し続けることの大切さ。

小さな声に耳を傾けることの重要性——。

そうしたことが、今の自分を形作っています。


みなさんに伝えたいこと

介護は、誰もが通る可能性のある道です。

その時が来た時、どうか無理をしないでほしい——。

それが私からの心からのお願いです。

訪問美容という選択肢を知ってほしい

訪問美容は、お母さんやおばあちゃんを美容室に連れていくのが難しくなった時の、素敵な選択肢になれると思います。

「大変だから仕方ない」と諦めるのではなく、「自宅でプロに髪を整えてもらう」という選択肢があることを知ってほしい。

私だけでなく、今は多くの訪問美容師さんが活躍しているので、無理のない範囲で、気軽に利用してもらえたら幸いです。

スキンケアについても、同じ想いです

スキンケアは毎日のルーティンだからこそ、ただ使うのではなく、「どう選ぶか、どう使うか」を丁寧に考えてほしい。

そうすることで、もっともっと自分のことが好きになれるはずです。

介護の真っ只中にいる方も、これからそうした時期を迎える方も、自分と向き合う時間を大切にしてほしい。

そして、その過程の中で、一緒に綺麗になっていく喜びを感じてもらえたら——。

それが、今の私の心からの願いです。

自分を大切にすること

自分を後回しにするのではなく、自分を大切にすること。

その時間が、人生をもっと豊かで明るいものにしていくのだと思います。

インタビュー:あべたみこ